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夏影メモ

1.ICH10RのIDE互換モード→AHCIモード化

私のPC環境に関する情報はここ(Machine-夏影)から閲覧可能です。

AHCIとは

いまどきのHDDは、命令を転送する転送路であるバスの性能が一昔前と比べるとだいぶ性能が向上し、書き込み・読み込み性能共にかつてとは比べ物にならないほど性能が上がった。 その一方で、HDDのディスク読み取り部分はそれほど性能向上しておらず、そのためバスの性能が高いのにかかわらず、HDDがその性能を生かせずにいた。

そこで、HDDが命令を受信し、バスにデータを通す方法を決める転送モードと呼ばれる規格にAHCIなる新たな転送モードが出来た。この転送モードは、NCQと呼ばれる機能に対応し、先にCPUから読み取り命令を多数発行し、HDD側でキューイング(溜めこみ)を行ったうえで、そのデータをHDDが解析し、それをもとに読み取り部分を効率よく動かすことである程度転送速度を早めることを可能とした。
また、Intel製造のチップセット(マザーボードに装備されているCPUからの命令を周辺機器に振り分ける部分)においては、このモードでのみHDDを電源を入れたまま付け外しできる機能(ホットスワップ)等の高度な機能が使用可能であり、特にケースのESATAコネクタをIntelチップセットのコネクタに付けてしまっている私の機械では、ESATAコネクタを生かすためにはこの機能が必要であった。

AHCIへの変更手順

そこで、このAHCIを使いたいと考えるのだが、私のOSは生憎Windows XPである。XPはソフトウェア面ではよくできていてで、比較的古いソフトから新しいソフトまで動かせるのだが(それでも本当に一部のソフトは動かせないが、そういうソフトはVista以上対応であるか、OSの動作に深くかかわるソフトか、異様に古いソフトが多いので問題ではない。)その分最新のハードウェア(特にストレージ周り)への対応はVistaで抜本的改革がされたことを見越していたのかおざなりであり、特に2000年初頭?に作られたままであろうインストーラーが標準ではAHCIモードに対応していないのである。
一応システムのインストール中にフロッピーディスクを読み込ませてAHCIのドライバを読み込めば、利用可能であるのだが、なぜかうちにはフロッピーディスクはあっても、Mac用のオートイジェクトフロッピードライブ(接続ピン数がPC用より少ない)しかないので、その手段はとれず、今回の策を講じるまで、AHCIではないモードで動かしていた。

いろいろ調べていくと、システムのインストール時以外にも、二つの手段でAHCI化は可能であることが分かった。一つは、マザーボードにあるもう一つのSATAコントローラーに起動用HDDを付け替え、起動に用いることである。しかし、そのコントローラーは不安定なことで悪名高いJMicron製である。付け替えても起動できなくては意味がないので、そうそうその案は却下となった。
もう一つの残った手段はWindows起動中にドライバを入れ替えるというなかなか面倒な話である。 かつて一度やったことはあるが、それはハードディスクのような複雑なものではなく、ゲームのコントローラーと単純な周辺機器であった。システムの入っているHDD自体もそのドライバで動いているため、最悪Windowsを起動できなくなる恐れがあり、非常に悩ましいものとなった。ただ、それ以外の道はないため、突き進むしかない、データをバックアップしたうえで、挑むことにした。

まず、ドライバを入手する。普通はIntel Rapid Storage Technologyの導入に書かれている手順でintelのサイトからIntel Rapid Storage Technologyをダウンロードし、セットアップを実行した際に"C:\WINDOWS\Temp\IIF2\Drivers"に出来る一時ファイル(ちなみにインストールできませんのダイアログを消すまでは一時ファイルが残る。消すとフォルダごと消えてしまう。)の中からAHCIドライバを抽出して利用するが、私の使っているP6Tでは付属のCDにドライバが収録されているので、マザーボード付属CDの「Drivers/Raid/IMSM/Driver/32bit」フォルダの中に入っているIntel Rapid Storage Technologyドライバを利用できた。このドライバは名目上はフロッピーに書き込むために用意されているが、当然Windowsのドライバ更新ウィザードからも利用可能である。

次に、そのドライバをドライバの更新ウィザードを利用して組み込む。デバイスマネージャのIDE/ATA/ATAPIコントローラーからIntel ICH10R 4 port IDE ControllerとIntel ICH10R 2 port IDE Controllerのドライバを、ドライバの更新ウィザードを用いて更新する。その際、ドライバファイルは前述のフォルダ内にある「AHCI」と書いてあるものを利用する。更新に成功すると、そのデバイスの名前がIntel ICH10R SATA AHCI Controllerに変わる。二つとも更新すると、デバイスマネージャのIDE/ATA/ATAPIコントローラーには、Intel ICH10R SATA AHCI Controllerのみ表示されるようになる。

そして、再起動を行う、その際BIOS画面のでSATA Configuration内のConfugure SATA as をIDEからAHCIに変更(RAIDにしてはいけない)しておく、ここを変更しないとAHCIモードとして作動しない。ドライバの更新とBIOS設定変更に成功すると、Windowsが正常に起動し、ログオンすると新しいハードウェアとして、前述のICH10Rと、接続されているHDDが認識される。再起動を要求されるので、また再起動して設定完了となる。

Intel Rapid Storage Technologyの導入

前述の設定でICH10RはAHCIモードとして動作しているが、その管理を行うためのソフトウェアがまだインストールされていない。そこで、IntelのサイトからIntel Rapid Storage Technologyをダウンロードし、インストールする。 私はインテル ダウンロード・センターよりX58 Expressを選択してダウンロードした。 ダウンロードが終わったら、デスクトップ上に置かれたiata96cd.exeを開きインストール作業に入る。ちなみにAHCIドライバを入れていないとインストールはできないので注意。手順に従っていけば、すぐにインストールが始まる。終了すると、再び再起動を要求されるので、再起動する。

再起動が完了すると、通知領域に緑のチェックマークの付いたアイコンが出る、このアイコンがIntel Rapid Storage Technologyのアイコンであり、HDDの状態に応じて、警告や情報などを提供してくれる。また、ダブルクリックすると、HDDがどのような状態であるのかを詳細に見ることができるウィンドウが開く。RAID対応ドライバを使っていると、このウィンドウからRAIDの設定を行えるようだが、AHCIのみなのでその機能は利用できない。

HotSwap!

最後に、SATA、ESATAのホットスワップをするためのソフトを導入する。WindowsはVistaになっても標準のハードウェアの安全な取り外しではハードディスクのホットスワップができず、デバイスマネージャから取り外し(正確にはデバイスの削除)を行わなければならない。そこで、このソフトを導入することで、簡単な操作でホットスワップが可能となる。
こちら(HotSwap!)からダウンロードを行い、任意の場所に圧縮ファイルを展開、そしてHotSwap!.EXEを実行すると、通知領域に赤い矢印のハードウェアの安全な取り外しとよく似たアイコンが出る。このアイコンを利用することで、ハードウェアの安全な取り外しと同様の手順でホットスワップを利用できるようになる。

ベンチマーク

取り忘れました、スミマセン。でも似たような結果が出ている画像がほかのサイトにあるはずなので、そちらを参考にしていただくとありがたいです。

まとめ

今回の手順により、私の環境ではAHCIモードを利用したSATA・ESATAハードディスクのホットスワップが可能となった。しかし、このやり方はあくまで私の環境でできたやり方であり、別の環境では失敗する可能性がある。そのため、皆様が実践していただくときは、自己責任でやっていただくことになることをご了承願いたい。

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2.ちょっとした話

P6TとTPM

私のサイトのアクセス解析を見ていると、「P6T TPM」という検索結果で来られた方がいらっしゃいました。TPMは同じページに書いてあるLet'sNote S9の方に搭載されているので、それがヒットしたのでしょう。しかし、残念ながらP6TにはTPMチップは搭載されておりません。また、一部マザーボードではTPMモジュールをコネクタにつなぐ形で装着できますが、P6Tにはその機能はありません。そもそもTPM自体、基本的にQ67やQM67などの主に企業向けPC用に使われるチップセットに乗せられる機能なので、P6Tのようなバリバリ個人向けPC用のマザーボードでは、BitLockerぐらいでしか使われないので載っていることはあまりないのです。

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3.ベンチ結果

Windowsの自作界ではベンチマーク結果を公表することがよくあるらしいので、せっかくなので公表してみることにしました。
萌えベンチだらけなのには突っ込まないでください。

Catalyst 9.6を使用した際のスコアです。同じ環境でも、測定時の状況やドライババージョンによって若干の変動が起きます。

ベンチマーク結果表

名前スコア設定
A列車で行こう9
ビュアーソフト
Opening A:60.3fps
Demo A:48.9fps
Demo B:62.2fps
Opening B:51.2fps
簡易設定:中
Opening A:59.7fps
Demo A:45.9fps
Demo B:50.0fps
Opening B:52.0fps
簡易設定:高
FINAL FANTASY XIV BENCHMARK
Score:3887
Load Time:25851ms
Low
A列車で行こう7
(実ゲーム)
普通:画面端:256fps~普通の場所90fps~重い場所60~30fps
最大縮小:画面端:36fps~普通の場所15fps~重い場所10fps
16Bitカラー、グラフィックに関係する部分はすべてON
ゆめりあベンチ1155621024x768、最高
849201280x960、最高
SiglusEngine ベンチマーク:
ちはやローリングWE
スコア1438000m
ランクA
デフォルト
タイムリープ
ぶーとべんち(Web)
79FPS 1024x768、AA:×8、HDR エフェクト(セルフシャドウ、ソフトフィルタ、被写界深度、バックハイライト):すべてON、光線:順光、夜、天候:雨
タイムリープぱらだいすベンチ単数1024x768、AA:SSAA×4、HDR エフェクト(セルフシャドウ、ソフトフィルタ、被写界深度、バックハイライト):すべてON、光線:順光、夜、天候:雨)
17874Happy Leap、雪、夜
28675It's show time、雪、夜
タイムリープぱらだいすベンチ複数(1024x768、AA:×8、HDR エフェクト(セルフシャドウ、ソフトフィルタ、被写界深度、バックハイライト):ON、光線:順光、夜、天候:雨)
14833Happy Leap、雪、夜

参考画像

転載厳禁
A列車で行こう9ビュアー転載厳禁
A列車で行こう9ビュアー1

A列車で行こう9ビュアー転載厳禁
A列車で行こう9ビュアー2

FF14ベンチ転載厳禁
FF14ベンチマーク

TLBBench転載厳禁
タイムリープぶーとべんち

TLPBench1転載厳禁
タイムリープぱらだいすベンチ単数1

TLPBench2転載厳禁
タイムリープぱらだいすベンチ単数2

TLPBench3転載厳禁
タイムリープぱらだいすベンチ複数1

リンク

上記ベンチマーク、ゲームソフトへのリンクは左側にあります。一部、結果表示のため、画像を利用させていております。

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